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上海日記〜溝井裕之の3泊4日 上海の旅
[ 2005年12月6日 ]
 11月の初旬、建材メーカーである(株)ウッドワンと商社ナイス(株)による上海工場見学という企画に参加してきました。海外の文化に触れることが学生時代から大好きな私にとって、上海はとても興味を抱いていた都市だったので役得を生かし最優先の予定として参加させて頂いた。

 成田からは直行便で2時間半程度。機内食をとり推理小説のおもしろ味が分かる前に着いてしまう距離でした。気候は東京とほとんど変わらない感じの11月初旬。時計の針を1時間進める。夕方の便であったため、上海国際空港に降り立った時には夜になっていた。車窓から眺めるダウンタウンのテレビタワーや高層ビルは、様々な光りのタワーとなりそれは、経済的な発展を象徴するかのように誠鮮やかでした。

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上海市内
 2日目に工場見学と言うことで高速道路を走ること1時間あまり。上海の郊外は都市のイメージとはかけ離れた地方の田舎の様相を呈していた。オートメーションと手作業で作られる内装建材は、すべて現地の若い社員がもくもくと仕事をこなしていた。愛想が悪い訳ではない。ただ与えられた仕事をまじめにこなしていた。最終的な検品もすべて現地の社員がチェックしていた。人間の性格というのは食事や文化と歴史などで当然違うもの。私自身、日本人の正確性や完成度の高い物へのこだわりは世界一と思いこんでいた。しかし、そこで検品されエラーとしてはじかれた物を見て、すこし驚いた。目を凝らして見なければ解らない傷を見事に指摘していた。 ちなみにこれらの商品は日本へ運ばれ商品化される物だという。日頃メーカーによる社員教育の賜物だと思うが、すばらしい精度をもっていた。

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新築マンション
 現在、上海市内の新築のタワーマンションは2000万位からで、そのほとんどがスケルトン。つまり内装や間仕切りなどは購入した人が自ら業者を手配して工事をするのが一般的。だから市内には至る所で、住宅設備機器や建材のショウルームを見かける。もちろん日本のメーカーの勢いは予想通りすごかった。

 賃金の格差はすさまじく、ほとんどの労働者は日本の10分の1以下である。しかし、市内の高級なレストランなどにはドイツの高級車が並び、いわゆる富裕層の人々がとても目に付いた。しかし少し異様にも思えたのは、家族連れがとても少ないと言うこと。人口増加を抑制するために、一人の子供しか生ませない一人っ子政策のせいだと思う。町のレストランを見ている限り家族団らんの風景はまず見ることが出来なかった。何十年か先には今の日本の様な高齢者社会がきてしまうのではと危惧した。

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船からの夜景
 夜には黄浦江という大きな河での遊覧船に乗った。東京の隅田川のナイトクルーズと同じようなものである。そこで目にした夜景は、香港の夜景とも異なったナイトショーを観ている様だった。日進月歩で発展を続けている都市 上海。船上で観ている現地の人達の表情はとても豊かでとても楽しそうだった。

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上海カニ
 食事は、広東、四川、上海海鮮、蘇州料理と様々な国内料理を味わった。丸テーブルに運ばれる料理は、辛すぎたり、油濃く、香草がきつかったりと個人的に美味しいと思えるものが少なかったのが残念だった。食事の点では昨年行った台湾のほうがはるかに美味かった。

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リニアモーターカー
 3泊4日という短い旅の中で感じたのは、目には見えないが刻々と変化を続けているそのスピードの速さでした。いち早く時速450キロを出すリニアモーターカーを実用化したり、町のあちこちではいまだにマンションの建設ラッシュ。インフラの整備が間に合わなく、渋滞し続ける高速道路。私はその時、タイムマシンに乗って昭和50年代からの日本の高度成長期の姿を見ていたのかも知れない。